2011年9月28日水曜日

9月25日CRMワークショップレポート

こんにちは。
Link with ふくしまの佐藤です。

今日は先日25日に行ったCRMワークショップについて報告します。

今回のワークショップは震災によって閉塞感が漂う福島の状況を打破するビジネスモデルを考えてもらう目的(Link アイディアwithふくしま)で行われました。

また、それと同時に、普段ビジネスを学んでいる優秀な方々に私達の関係者になってもらい、福島の問題を提示することで興味関心を持ってもらおうという目的(Link 学生withふくしま)も兼ねていました。

今回はスペシャルサンクスとして、いつもお世話になっているダイヤモンド社さまに場所を貸していただき、社会的マーケティングの第一人者である竹井善昭さまにご講評いただきました!


まずは私が開催の宣言をし、場所をお貸しいただいたダイヤモンド社の宮田さまからご挨拶をいただきました。



続いて、代表の菅家から私達Link with ふくしまについて説明をさせていただきました。



早速本題に入りました。
集まっていただいた皆さんは経営学の学生が多く、マーケティングについては説明は不要ですが、
今回焦点をあてているコーズリレーテッドマーケティング(CRM)はまだまだ知られていないので、普段CRMについて研究されている慶應大学SDM研究科の杉山さんからご説明いただきました。




補足ありますか?という杉山さんのいきなりのフリでお話される藤田さん。



その後、私佐藤のほうからビジネスモデルの前提となる福島についてと、福島の現状についてご説明しました。
残念ながらフクシマという名前は世界的に有名になってしまいましたが、その実情はあまり知られていません。
私自身も発表することで整理になりました。



(時間が押していることもあり、大変早口になってしまいました。申し訳ありませんでした。)

その後、グループワークに移り、ビジネスの種を作ってもらいました。



1班からは、人口流出を止めさらに還流させるには仮設住宅など逆に人口の増えている場所にアプローチすれば良いのではないかという仮説が提示されました。
これに対し、竹井さんから流出の根本のコーズは何か、また、誰を引き留め誰を還流させるかを考える必要があるとのアドバイスをいただきました。

2班の発表は、除染の費用負担を行政に任せるのではなく、民間の力を取り入れるアメックスモデルが種でした。
竹井さんからは、どの程度の金額になるかざっくりでよいから定量的に考えるとよいというアドバイスでした。

3班は、除染や福島県の空洞化は根本が同じであると考え、包括的に取り組む必要があるとのことでした。避難者のコミュニティ問題や雇用問題を、それに取り組むNPOを立ち上げることで解決できるという内容でした。
こういう時はコンセプトを絞りがちだが、スケールを大きくするのは良いことだという竹井さんのご意見でした。



休憩の後、またグループワークに入り、いよいよ種をプランにまで落とし込んでもらいました。
30分という大変短い時間でしたが、だからこそ集中的に議論し、白熱したグループワークとなりました。




ギリギリまで議論した後、いよいよ発表に移りました。
今回は3班からの発表でした。


3班のビジネスプランの肝は、放射線フリーの商品をプレミアをつけて販売し、それを除染に寄付するというものでした。その寄付分を使用してNPOが活動して雇用も生まれるというプランです。
また、このモデルは外食産業や食品流通だけでなく、固定費を抱えるメーカーも適用すると稼働率の上昇によるメリットがあるということでした。
この案に対し竹井さんからは満点をいただきました。ただし、優等生すぎるという面もあるとのことでした。
2班は、除染の受益者は子供だが、そこに価値を見出すのは親御さんであり、ここに訴求することがコーズであると定義しました。それゆえ、子供が使い親が購買者となる玩具やスポーツ用品のメーカーがCRMを打つべきだと提案しました。
コンセプトは良いが、もうひとひねり欲しいところ、との竹井さんの意見でした。

1班のプランはいかに雇用を生み、空洞化を防ぐかというものでした。特に、福島の未来を担う若者に焦点を当てました。食品以外のメーカーが福島に工場を作り雇用を生むというプランです。若者だから人件費は抑えられ、大義ある製品のため付加価値は高いという読みでした。
雇用問題に取り組むCRMの例は少なく、面白いという宮田さんのご意見でした。ただ、竹井さんからはなぜ福島に進出するかは本当に考えなければいけないとご意見がありました。



以上、3つの班から素晴らしいアイディアが出た所で、竹井さんに一番“面白い”プランを選んで頂きました。
大変悩まれた後、3班を選ばれました。




3班には福島銘菓『ままどおる』を進呈させていただきました。


3班がおもしろい理由としては、短時間で作ったものとしては満点である、そして、スケールが大きい、今後もビジネスを考えるならばそういう視点を持って欲しい、とのことでした。



以上、時間が足りなかった分の議論は懇親会に持ち越し、
ワークショップは盛会のうちに終わることができました。

ワークショップを企画する段階では3時間半は長丁場だなぁと思っていたのですが、
いざやってみると本当に短く、あっという間に終わってしまいました。
イベントを企画する難しさと自分の実力不足を痛感しました。
それにもかかわらず、素晴らしいプランを創り上げていただきありがとうございました。


次回はより時間をとって、もっと議論しやすい設計をして会を開きたいと思います。
ですので、ぜひ次回もよろしくお願いします。


そして、今後とも福島県とLink with ふくしまをどうぞよろしくお願いいたします!



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