2012年9月24日月曜日

【イベントレポート】 スタ☆ふく~観光ツアー@喜多方~







こんにちは、リンふく福島スタッフの吉田哲朗です。


今日のブログで扱うのは、JASP福島が企画した
【福島を感じて考えるスタディーツアー「スタ☆ふく」】です。

9月1日から2日にかけて、「スタふく」観光ツアーが行われました!
スタふくについては過去のエントリーをご参照ください。
 学生企画スタディーツアー『スタ☆ふく』のご紹介


今回僕は、JASPのプロジェクトリーダーとして、この企画をつくり、運営してきました。ここでは、当日の様子を僕個人の目線から紹介したいと思います。

 
今回、訪れたのは、福島県会津地方に位置する喜多方市。
ラーメンが有名ですよね。
そんな喜多方市は、地震の被害は少なかったものの、風評被害で観光業や農業が大きなダメージを受けています。

早朝の新宿を出て、バスが最初に向かったのは、福島県郡山市。
ここで、関東方面からの参加者14名と、福島県内からの参加者12名が合流します。

いざ、郡山市からバスで1時間半ほどのところにある喜多方市へ。
ツアーの始まりは、喜多方の食堂「旬」です。さっそくお食事をいただきます。



会津郷土料理のこづゆをいただきました。
すまし汁のようなこのこづゆ。お祝い事のときにいただくお料理だそうです。


そして、次に訪れたのは、寛永2年創業の「大和川酒造」。
彌右衛門ブランドの日本酒が有名です。(ぼくも大好き)

 



酒蔵の見学をした後、
伝統ある酒造の大和川酒造の社長である佐藤彌右衛門さんと
喜多方のまちおこしに奮起するNPO法人まちづくり喜多方の蛭川さんに
お話をいただきました。

 
講演の内容は喜多方のこと、日本のこと、震災のこと。参加者のみなさんは真剣に耳を傾けていました。










佐藤社長は、飯館村の村長さんが掲げている「までい」の精神についてお話してくださいました。
「までい」とは、まごころをもって、大切にすることを言います。

佐藤社長は、その精神に賛同し「いいたてまでいの会」で飯舘村の人々を支援する活動をしています。








NPOまちづくり喜多方の蛭川さんは、震災後、喜多方のグリーンツーリズムが受けた影響や、現在行っている取り組みについてお話してくださいました。



喜多方のグリーンツーリズムを利用していたのは、主に修学旅行でした。
年間7000人来ていたお客さんが、震災後は一気に0人になってしまったそうです。



他にも、まちづくりの観点から、若者を呼び込もうと来ようの創出であったり、

除染の取り組みも始めようとしているそうです。



こうした話を受けて、参加者から聞かれた言葉が
「福島のことは、日本のこと」
 きっとそうなんだと思います。
 

島のことは日本のことだし、世界のことになっていくんです。
福島が抱えているものは単に福島だけの問題じゃない。参加者からそういった声が聞かれたのは企画者として嬉しかったです。


夜は、旧酒蔵のホールで地元の農家さんやNPO関係者を交えて交流会!
酒蔵で飲む日本酒は最高です^^(酔っぱらいました。反省)


宴も盛り上がったところで、
この日はグリーンツーリズムの一環でもある農家の民泊体験をしました。

農家のみなさんが優しく迎えてくださって、参加者のアンケートではとても評価が高かったです。
 


私たちスタッフが泊まった専業農家のお家では、タバコの葉っぱを生産されていました。
去年は出荷自粛をし、今年も検査に出して結果待ちの段階。
 
毎日毎日手にかけてきたものが出荷されるかわからないというのも、悲しいと思いました。


2日目は、アスパラ収穫体験。

訪れたのは、喜多方市の熊倉地区にある「きらりファーム」さんです。
2つのグループに分かれて、空気中の放射線量測定と、アスパラの収穫を交互に行います。

採れたては生で食べられるんですよ^^
このアスパラ、放射性物質は検出されていません。
ですが、土には放射性物質が混じってしまっています。

検出されない理由は、土に含まれているカリウムだそうです。
植物は、セシウムよりもまず先にカリウムを吸い上げるようで、
豊富なカリウムを含む土で育てたアスパラは放射性物質を吸い上げないのだとか。
 

基準値についても農家さんの意見を聞いて、みなさんぱくぱくアスパラを食べていました。


一方の放射線量測定チームで聞かれた声。
「どのくらいの数値が危険なのか、わからない」
「ベクレルとシーベルトの違いって?」

ここで、すこしハッとしてしまいました。福島に住んでいる私としては、シーベルトやベクレルといった単語が身近なものになっていました。
しかし、初めて福島を訪れる人が「よくわからない。もっと勉強してくればよかった」という感想を呟いています。

運営者として、わかりやすい資料を用意するなどの対策をすればよかったと反省する一方、
「感覚に違いがあるんだ」というふうに感じました。


アスパラ収穫も終わり、農園の目の前に広がる最高のロケーションで集合写真をパシャリ☆

 

喜多方に来たら欠かせないラーメンを食べて、
いよいよ最後のワークショップです。

 

最初に2人1組のペアになって、この2日間の経験を共有します。
そしてそこからワールドカフェ。テーマは「What Can I do ?」です。

最後に参加者から出た意見は、
「今回の経験をまず、周りに広めていく」
「自分の会社にできることを考え、他の企業に福島への支援をよびかけていく」
などなど

短い時間しかとれなかったのですが、とても前向きな意見が聞かれました。
「なんとなく参加した」という参加者が、福島に思いを持ってくれたのはとても嬉しかったです。


 


最後に、企画者として、今回の観光ツアーを通して思ったことについてまとめたいと思います。

スタ☆ふくは、スタディーツアーということで、全体の雰囲気が固くなってしまわないかという心配でもあったのですが、そんなことは全くありませんでした。地元の方はとても明るく迎えてくださいます。
学生スタッフも、緊張しつつも、一生懸命にお迎えします。

参加者の中には、「参加する前は、気持ちが暗くなって帰ることも覚悟していた」という方もいらっしゃいました。
確かに暗くなる話題もあります。
でも、現地の人がそれを押し出しているかといえば、それは間違いなくNOです。
みんな前向きです。

そういった福島の人々の姿勢にふれて、みんな前向きに福島を日本を考えられるようになって、
「自分にはなにができるんだろう」という思いを持ってくださいます。

今回のツアーで、そういった気持ちの変化を引き起こせたことを嬉しく思います。


震災後、観光客が減ってしまうなど、風評被害をはじめ複雑なものが福島には折り重なっています。
そんな環境から学べるものって多いんだなと思うし、僕自身もまだまだ学ぶべきことが多くあると感じました。

今後も、本企画は継続していく予定でいます! 
次回の「スタ☆ふく」にもご期待ください。

 

★関連リンクはこちら★
「スタ☆ふく」公式ブログ
大和川酒造
まちづくり喜多方
グリーンツーリズムを体験したい方はこちら⇒
いいたてまでいの会


 
Link with ふくしま 福島スタッフ 兼 JASP福島スタッフ
「スタ☆ふく」プロジェクトリーダー 吉田哲朗




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